「……椎名、どうした?もしかして雰囲気に流されたりしてる?」


「いえ!そんなんじゃないです!」


私は先生の方へ振り向いた。


ーードキッ


先生も私の方を真剣な眼差しで捉えてる。


「……本気で言ってる?」


冷静になれば……


私はとんでもなくすごいことをサラッと言ってしまったのかもしれない。


でも。


もう、あとには引けない。



「……はい」


そう返事をした後、私は顔が真っ赤になりながらもう一度ゆっくり伝えた。


「先生のことが……好きです」


周りは静寂しきってて、ドキドキと不安と緊張が入り混じった心臓の音がうるさいくらいに聞こえてくるのを感じた。


「……椎名が本気なんなら、俺も本気で答えないとな……」


さっきと蒸し暑さとは打って変わって少し肌寒い夜風が2人の間を駆け抜けた。


「言ってくれてありがとう」


緊張で汗ばんでいた掌をギュッと握る。


「椎名の気持ちは嬉しいよ。でもーーー」