恋愛ケータイ小説倶楽部

「わぁー………」


目の前に広がる光景を見て、思わずそんな声を漏らした。


街を一望できる小高い丘からはこんな田舎町にこんなに灯りがあったのかというくらい、想像以上の街の灯りがキラキラと輝いて見えた。


そして、その街の灯りと満天の星空との境目が見えないくらい。


無数の星が輝く空と地面が繋がっているような感覚。


それはまるで天然プラネタリウム。


私が想像上小説に書いていたものとは比べものにならない景色に思わず息を飲んだ。



「ここに来ると、自分の悩んでたことなんてちっぽけなことなんだろって気づかされるんだよな」


先生は私に目線を向けることなく、話を続ける。


「こうやって遠くから街の灯りを見ていると俺も所詮遠くから見ればあの灯りの一つに過ぎないんだろうな……なんてな。そうやって一人でボーッとしに来たことがある」


そう言いながら、先生は切なそうな眼差しで光を見つめていた。


さっきまで夜景に釘付けだった私の目はいつの間にか先生へと向いていた。


その月明かりに照らされた横顔がほんとうにたまらなく素敵で。


胸の奥がギュッとして、


何だか泣きそうな気持ちになった。