恋愛ケータイ小説倶楽部

「着いたぞ」


そんな悶々とした気持ちを抱えたまま、学校の裏にある丘にあるちょっとした車を止めるスペースに到着した。


この丘に名前なんてものはない。


到着した時はもう7時くらいだったけど、辺りは真っ暗というよりは日が落ちて夜の闇を迎えようとしているような薄紫色な空色だった。


「ちょっと早かったかな。ま、降りてみる?」


私は「はい」と返事をし、車の扉を開け、地面に下り立った。


丘は風が強いかと思ったけど、今日はそうでもなく、気候も寒くなかった。


むしろ少しムシムシしていて、夏がもう目の前まで来ているのを感じる。


カップルが多いと聞いていたから人が多いかなと思っていたけど、平日なのとまだ時間が早めだったことが合間って人の気配は感じられなかった。