恋愛ケータイ小説倶楽部

車の窓から外の流れる景色を見つめた。


いつもと変わらぬ学校近くの街並み。


だけど、前には運転する先生の後ろ姿。


それだけで言い過ぎかもしれないけど、何だか世界が変わって見えた。



「……先生は学校の裏の丘に行ったことあるんですか?」


「あぁ、一度だけだけどな」


「……そうなんですね」


その時は誰と一緒に行ったのだろう。


古賀先生と来たのかな……


訊きたい。


でも訊けない。


本当のことを訊くのが……たまらなく怖いんだ。


先生のことを好きになってこんなにも自分が臆病だってこと、初めて知った。