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どうしよう。


ケータイ小説書いてるって。


先生、みんなに言わないよね……?


私は先生の顔色を伺いながら恐る恐る声を発する。


「あ、あのーーー」


「理沙〜!ごめん〜!遅くなった〜〜!ってあれ??おーちゃん?」


しかし、その声は呆気なく沙也加の声によって遮られる。


勢いよく教室へ入ってきた沙也加は、ふわふわな髪の毛を揺らしながら私に後ろから抱きついてきた。


そしてすぐ、大川先生の存在に気づいたみたいだった。


まずいよ。


もう沙也加が帰ってきちゃった。


ここで先生がケータイ小説うんぬんのことを言い出したら、どうしようー!!


すると大川先生は、そんなおどおどする私を見て一言言った。


「じゃ、ケータイは没収ということで」


そう言いながら、私のケータイを持ち去って行ってしまった。



「あっちゃー、理沙見つかっちゃったの?」


「……うん」


……よかった。


沙也加には言わないでくれたけど……


ケータイは没収されるし、


ケータイ小説のことはバレるし、


ほんとについてないことこの上ない。



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