芹沢くんとの間に溝を感じるのは、 そんな成長のない自分を見られたくないから 周りは皆、大人になった 私だけが何も変わらないまま、社会の中でもがいている 「朝比奈」 「あ、ごっ。ごめん、トロくて……」 卑屈になっていたら、急に瞳が潤いだしてしまった 私は慌ててパソコンをシャットアウトさせると、「か、鍵、私が閉めておくからっ」と、自分でもびっくりするくらい小さな声で言った