「…朝比奈、いつもこんな遅いの」
「え?あ、うん。要領悪くって」
「そうじゃないでしょ」
「…」
どう返せばいいのかわからなくて、私は黙って三段目の引き出しを開けた芹沢くんをじっと見つめた
また、だ。
胸の奥が、カサカサいってる
「うーん、…あ」
「あった?」
かがんだ身体をよじらせて右手を引き出しの奥につっこんだ芹沢くんと目が合う
「奥に落ちてた」
目が合った瞬間、カサカサ鳴らしていた胸は突然押しつぶされそうな圧迫感を感じたけど、私は目をそらすことも出来ずにそのまま芹沢くんを見つめた
「あって、良かったね」

