無口な彼の、ヒミツと本心

梨花が言おうとしたことを、付き合ったことも、当然それ以上の経験もない私に分かるはずもなく。





その日は、適度に酔っ払って帰宅。

私は大学の頃に家を出た。

正確にはお父さんが単身赴任で地方に行ってしまい、お母さんが私の大学入学に合わせてついて行っただけ。



何を隠そう、我が家の両親もおしどり夫婦だ。

だからこそ、私は芹沢くん達の恋愛に好意的で


あわよくば、芹沢くんをフォローすることで、自分も後方支援して参加しているような、


そんな錯覚さえしていた



自動的に借りていたマンションは引き払ったので、私は一人暮らしを余儀無くされたわけだが、そんなものも8年目となればほとんど気にならない


たまに夜は怖いような気にはなるけど、それほど大袈裟に考えなければすぐに眠れる。

駅前から近いし、夜道も明るいから大丈夫。



疲れてシャワーを浴びて、早く眠って…


また、明日仕事がんばろう。


家族の居ない生活には慣れたけれど、淋しくないかといわれたらちょっぴり淋しいくらいだ