そんな疑問と24年間、格闘中なのだ。




恋がしたい。

芹沢くん達みたいな、世界中が敵に回っても、脇目も振らずに互いを大切にするような恋を。


それが実際に存在しているからこそ、夢を見てしまう


きっと、私だけの事を最優先にして愛しぬいてくれる人が




「いナイナイナイ、あんた芹沢は聖人かなんかだよ、参考にしちゃダメだって」

「え、そんなことナイヨー」

「そんなことアルヨ、おバカ」



梨花は高校時代からずっと縁の切れない大親友。

残業が終わってちょうど仕事帰りの時間が合って、駅前で待ち合わせて、一杯。



「芹沢もきっと男だよ」

「どういうこと?」

「この間、平塚に会ったんだよね。私達は知らなかったけど、男の中じゃ芹沢が彼女持ちだったのは有名だったし、芹沢の彼女が身体が弱くて入退院繰り返してたのも知ってたみたいだよ」

「へぇー」

「へぇー、って」

「うん、なんか雲の上の話みたいで」

「あ、そう」

「それと芹沢くんが男、っていうのはどう関係があるの?」

「わかんないか」



梨花は諦めて苦笑いをしてグラスに口をつけた