「ごめんなさい、大丈夫?」
ただ、ぼーっと目の前で狼狽える青年を見つめて私は動こうとはしなかった
何故というより無意識に体の機能が落ちるように感じた
「あー………ちょっと来て!」
手を勢いよく引かれ少し転けかける
抗議しようにも言葉を、声を発せない
どうしようにもない力の差にも逆らえない
「いらっしゃいませ。」
「この子に服選んであげてください。」
「かしこまりました。」
入ったのは最近有名なRITTっていうお店
値段もリーズナブルで服の趣味は可愛い系
葉月に一度誘われて来た事がある
「こちらで如何でしょう?」
「じゃあ、これで。着て帰るんで値札、お願いします。」
「はい。彼女さん、どうぞ。」
異論を唱えれるわけではないが青年を見れば、ただ笑みを深くされるだけで何もいわない
店員さんに半ば引き連られるように試着室にはいっていく
