『話がそれだけなら帰ります』
静かに書き記し席を立つ
ポカンとした松井先生
何が原因なのか目の奥が痛かった
「柳谷!」
呼ばれてようが知らない
聞こえていないかのように私は部屋を出る
パタパタと上履きが静かな廊下に鳴り響く
遠くでは部活の声が響き私の周りと外の世界は隔離されているのでは、と考えてしまうほど場違いだ
校舎を出れば自分を知ってる人なんて誰も居ない
人との関わりなんて薄いこのご時世にそんなモノを求めるなんて間違ってる
自分が良ければいい
関わりが無ければ関わらない
自分より不幸な奴がいれば楽しい
そんなのばっかりだ
ドンッ
「スミマセン!……げ、ジュース………」
深い思考から起き上がったのは肩にかかる冷たさがあったから
シュワシュワと二酸化炭素の気泡が溶ける音
見事に白いブラウスに茶色い地図が描かれた
