恋する時間を私に下さい

極度の寝不足も重なっているようだと言い、すぐに横にするよう言われた。
コウヤさんは、自分のベッドに礼生さんを運び込み、横たえた。

横になった礼生さんは目を閉じて、すぐに眠り始めた。

深く深く眠ってるみたいで、その姿はまるで、本当に時が止まった人みたいで……。


「…疲れてたんですね……」

ベッドの傍に身を寄せて、寝息を聞いた。
加藤さんは私の言葉を聞いて、肩を落として編集部へ電話をかけ始めた。

連載は休止となり、他のアシスタントには「急病」ということで、しばらくは召集しない…と話してた。

医師が刺していった点滴の袋から、ポト、ポト…と規則的に液が落ちていく。
その様子と加藤さんが話してる電話の内容とを交互に気にしながら、ずっと礼生さんの顔を見つめてた。

昨日の礼生さんとは別人みたいに穏やかな顔つきだった。
いつもみたいな荒い言葉も怒鳴り声もしない。

…苦しそうにはしてなかった。
ただ、楽そうでもない。

手に入れた平穏を味わってるかのような顔。
時が止まったように眠る礼生さんに、やっと訪れた休息だった……。




「……リリィちゃん、帰っていいよ」

医師も加藤さんも帰った後、コウヤさんが言いました。

「ガタさんの面倒なら僕が見るから」

そう言って、横にやって来ます。

「…えっ⁉︎ いえ、私も見ます!」

その約束で加藤さんに頼んだんだから。