恋する時間を私に下さい

思い出すと、また涙が溢れ出しそうになって黙り込んだ。

加藤さんはそんな私の肩を叩いて、「大丈夫。君は悪くない」と言ってくれた。
それから、四人を集めて、コウヤさんの所へ行くと言いだしました。

「何か知ってそうな気がするんだ」

その言葉にピクッと反応した。
涙目になりながら五人の背中を見てた私は、歩き始めた加藤さんを急いで追いかけました。


「…待って下さい!…私も行きます!」

振り返った加藤さんは驚いて、「無理をしなくてもいいよ」と答えた。
でも、私は……

「礼生さんに会いたいんです!会って、昨日のことを謝りたい!仕事のことも…部屋に行かないと言ったことも…全部、取り消したいんです…!」


だって…

だって私は……


(礼生さんが……好きだから……)


溢れ出しそうな言葉を呑み込んで、加藤さんに頭を下げました。

「…お願いします!連れてって下さい!」

コウヤさんが何か知ってるのなら、たとえ、僅かな可能性でもいいから手掛かりを知りたい。

礼生さんを追いかけて、捕まえたい。
どこにも行かないから、帰ってきて欲しいと……頼みたい。


体を震わせながら頭を下げ続ける私に根負けしたかのように、加藤さんは「…そんな言うなら一緒に行こう」と誘ってくれた。

踵を返して歩き出す背中を追いかける。


流れる時間の中に、佇んでなんかいられない。

私は、礼生さんを探し出して、離さない…と決めた。

それから…


(もう二度と逃げ出さない…。礼生さんをずっと…守ってく……)