恋する時間を私に下さい

初めて知りました。
加藤さんというのは、礼生さんが漫画を描いてる雑誌の担当さんだということを。

「レイの奴、ずっとBLの連載やめさせてくれって頼んでたのに、聞かなかったでしょう⁉︎ 」
「いや、それは…」

「おかげで緒方さん切羽詰まっちゃって…」
「リリィちゃんには襲いかかろうとするし…」
「精神的にかなりマイってたみたいなんです…」

アラシさん、トドロキさん、セイジさんのそれぞれ言葉を聞いて、加藤さんが私の方を振り返りました。

「…レイが……君を?……本当かね?」

信じられないような顔してる。
でも、それは間違いでもないから……


こくん…と小さく頷きました。
加藤さんは、はぁ〜…と大きなため息をついて、右手の平で自分の額を叩いた。

「……そこまでイッてたか……」

反省したように呟いて立ち上がった。セイジさん達の側へ寄り、詳しく事情を聞いてます。
皆は私が言ったことを伝え、状況を把握した加藤さんは、再び私の所へ戻ってきました。

「……怖い思いをさせて申し訳なかった。君がいれば大丈夫かと思ってたんだが、やはり無理が祟ってたんだろう…。信頼できる女性にまで手を出そうとするなんて……そこまで追い詰めた私の責任です……すみません……」

放射状に広がった頭のてっぺんを見ながら、そんなに深く頭を下げられる筋合いもない気がしてきた。

「い…いえ…そんな……実際は何もなかったし……むしろ、私の方が…礼生さんにひどい言い方をして……」