恋する時間を私に下さい

「こいつ、道端にしゃがみ込んで動けなくなってたんだ」

コウヤさんの声に三人が驚きました。

「『どうしよう…どうしよう…』って、馬鹿みたいに繰り返しててさ。俺が通りかからなかったら、今頃どっかのヤツに連れ去られてるところだぞ」

まともに動けなくなってる私を支えながら、コウヤさんはここまで連れてきてくれた。
本来なら三十分もかからない距離が倍近くかかったのは、そういう理由があったからです。

「担当の加藤さんに連絡は?」
「とった!…でも、本人から何の音沙汰もねーって…」
「一体、どこ行ったんだよ!本来なら今日が修羅場の筈だろ⁉︎ 」
「…そうだけど、これじゃ仕事にならないって!レイがいない限り、部屋にも入れねーんだから!」

礼生さんと同い年のセイジさんは、腹立たしそうにドアを蹴りました。
その三人のやり取りを聞いて、トドロキさんが私の方を振り向いた。

「…リリィちゃん、さっき電話で自分のせいだと言ってたよね?あれ…どういう意味?」

しゃがんだままの体勢で、私と目線を合わせる。

他の三人もこっちを見てます。
その顔を一周するように眺めてから、俯きました。

「…昨日…ルナのことで文句言いに行ったら……怒った礼生さんに……襲われそうになって……」

ベッドに押し倒されて、こんなことされるのも、全部自分のせいだからな!…と脅された。

怯えてる私以上に怖い顔して、近づいてきた。