恋する時間を私に下さい

「はっ…」

思わず息を呑んだ俺を、妹がキョトンとした顔で眺めた。
なんでこの子がここにいるのか…と思いながら、さっきの質問に答えた。

「…俺は出来合いの料理は嫌いだ。料理ができねぇんなら明日から来るな!はっきり言って迷惑だっ!」


妹が固まった。
アシ達が驚いて、俺を非難しながら妹を庇う。
そんな奴らの相手をしてもらっていながら、今更これを言うのはヤバい気もするが……


「俺は喧しい女は好きじゃねぇ!…特に甲高い声の奴はイライラする!」

途中で箸を置いて背中を向けた。
食べ物に対して、そんな態度をとったのは初めてだ。

イラついてた気持ちがピークに達してた。
それをたまたま、妹と弁当にぶつけてしまっただけだ。


「…わ〜ん!」

大きな声を出して、妹が泣き出した。
アラシとトドロキはオロオロして、彼女を連れて部屋を出た。

壁の向こうから甲高い妹の泣き声が聞こえる。
驚いたようなヤツの声も混じって聞こえたかと思ったら、インターホンを連打して、中に走り込んできた。


「緒方さんっ!」

昼間のような怒った顔で怒鳴った。
唇は赤みを増して、さらに艶っぽく光ってる。

「どうしてもっと優しく言ってくれないんですか⁉︎ ルナが来ても邪魔じゃないって、朝は言ってたじゃないですか!」

唇を尖らせてる。
その顔が妙に可愛い…。

「…確かにルナは料理できないけど、でも、緒方さん達のことを考えて、それなりにできる事をしてたと思うのに!喧しいとかイライラするとか、全部自分の都合じゃないですか!!」