…イライラしながら下絵を書く。
今描いてる話は、サラリーマンと医者の恋バナ。

描きながら吐きそうになる。
何が悲しくて、こんな連載続けなきゃならねぇんだ…って気がしてくる。

売れる為……そう言い聞かせてきたけど、やっぱりそろそろ限界かもしれねぇ…。


「…なぁ、お前ら…」

俺が連載打ち切りにするって言ったらどーする?…と聞くつもりで声をかけた。
話をしてた奴らの目がこっちを向く。

この二年近く、ずっと俺の連載を支え続けてくれた仲間。
そんな奴らの為にも…と無理をし続けてきたけど……

「あのな…この連載……」

ピンポーン!

…ああ、もうっ!誰だよ!タイミング悪い!

「見てきます」

トドロキが立った。
ついでにアラシまでがついてく。




「…ルナちゃんでした〜!」

喜々としながらトドロキが連れてくる。
アラシの方は嬉しさのあまり、目がハート状態だ。

「お邪魔しま〜す!」

「ああ…」

(派手なメイクだな…)

呆れるように顔を眺めた。
それを何故か勘違いされた。

「そんなに見つめないで下さ〜い!」

照れてる。こっちはそんな気まるでなかったのに。

「ああ、すまん(自意識過剰だな…)」

そう思いながらも一応謝る。
美人の特権とでも言うか、バカ丸出しと言うか…。

(本当にあいつの妹なのか?)

思わず疑ってしまう。
どうも美人って生き物は、自分が常に一番だと思ってるらしい。