「…す、すみません…」
思わず謝った。
ネクタイの柄見たまま。
視線を上げるなんて、とてもできない。
「こっちが悪い」
言い返した緒方さんのネクタイが離れてく。
…ほっとして、息を吐いた。
「…平気か?」
その声に顔を上げる。途端にぶつかる視線。
『きゅぅぅぅん…』
鳴き声が胸の奥に響く。
ぎゅっと痛くてたまらない。
それになんだか、息もしにくい……。
「へ、平気です…」
返事を聞いて、緒方さんが安心する。
その顔を見て、今朝のお礼を言わなくちゃ……と思ったのに、何故だろ…
(声が…出ない……)
スッ…と視線を外された。
向きを変えて歩きだす。
その背中を見ても、息苦しさに変化はない。
詰まったような感じもしてきて、ますます苦しくなる一方。
(何これ……変……)
不安のあまり、ドキドキしてくる。悪い病気じゃないよね…と疑う。
初めてのことに戸惑う。
それが何だか、この時はまだ、知らなかったーーー。
思わず謝った。
ネクタイの柄見たまま。
視線を上げるなんて、とてもできない。
「こっちが悪い」
言い返した緒方さんのネクタイが離れてく。
…ほっとして、息を吐いた。
「…平気か?」
その声に顔を上げる。途端にぶつかる視線。
『きゅぅぅぅん…』
鳴き声が胸の奥に響く。
ぎゅっと痛くてたまらない。
それになんだか、息もしにくい……。
「へ、平気です…」
返事を聞いて、緒方さんが安心する。
その顔を見て、今朝のお礼を言わなくちゃ……と思ったのに、何故だろ…
(声が…出ない……)
スッ…と視線を外された。
向きを変えて歩きだす。
その背中を見ても、息苦しさに変化はない。
詰まったような感じもしてきて、ますます苦しくなる一方。
(何これ……変……)
不安のあまり、ドキドキしてくる。悪い病気じゃないよね…と疑う。
初めてのことに戸惑う。
それが何だか、この時はまだ、知らなかったーーー。