恋する時間を私に下さい

翌朝、目を覚ましたら、ルナからお礼のメールが入ってた。

『昨日はありがと〜!(^o^) おかげで助かった〜!皆美味しいって言ってたよ〜!さすがお姉ちゃんだね〜!v(^_^v)♪ 』

プッ…!と小さく笑う。
子供っぽいけど、そこがルナのいい所。
量は足りたんだろうか…と気になる。
でも、美味しく食べれたのなら良かった。


今朝も左手にゴム手袋をはめる。
水疱が破れて、新しい皮ができるまでは水に浸けないように…と言われた。

「…何するにも不便よね…」

ロボットみたいな感じの左手を見ながら思う。
こんな手の状態で、隣の家事までできる訳がない。

(…って言うか、そもそも手伝う必要ないんだし……)

あの日、たまたま修羅場明けのところへ挨拶に行ったってだけで、散々こき使われてきた。
これを機会に、私でもなくてもいい…と、しっかり認識してもらいたい。

顔を洗って身支度を始める。

図書館の仕事は手を使うけど、水は使わないから大丈夫。
ただ、昨日の今日で、どんな顔すればいいか分からないだけ……


(あの人はただの図書館長。それ以外の事なんて、私は何も知らないし、何も見てない!)

心の中にもう一度言い聞かせてから、ドアロックを外した。
ドアノブを捻って開けたら……

ゴン!

何かにぶつかる音がして、足元を見た。
オレンジ色の物体が置いてある。


(あっ……)

ゆっくり押し開いて外へ出る。

(…私のお鍋だ……)

昨日、下敷きにした料理本の上に置かれてあった。