(当たり前よね…ここの館長なんだから…)

仕事ぶりを眺めながら考える。

どうして頼三さんは、礼生さんにこの図書館を譲ったのか。
ここの仕事さえなければ、彼はもっと自由に漫画を書いていられる。
そうすれば今みたいに忙しくて、眠れない日が続く程じゃないのに……。


(……今朝はいつもより顔色がいいみたい……きっとあの後、すぐに眠れたんだ…)

睡眠の邪魔をして悪かったな…と反省させられました。

他のアシさん達と違って、緒方さんは寝つくのに時間がかかる。
眠りも浅くて、いつも苦しそうな表情でうたた寝をしてる。

そんな事を知ってるから、少しでもラクになれるように…と、手を貸してきたつもりだったけど………




……病院から帰って、お詫びのついでに報告へ伺った時、自分の居場所が、侵されたことを知りました。



「…お姉ちゃん!」

「…ルナ……」

パッチリ二重の大きな目が私を見てる。
部屋の奥から弾んだ声も聞こえてきました。

「ルナちゃーん!コーヒー!」

「は〜い!今すぐ〜!」

甲高い声で明るく返事する妹。
私はそれを聞いて、すぐには言葉が出せない程のショックを受けた………。



「……なんで……ルナがここにいるの⁉︎ 」

絞り出すように声を出した。
ルナはあっけらかんとした感じで、事の成り行きを説明しだした。

「夜中のことお詫びに伺ったの〜。そしたら、中に引っ張り込まれて〜」
「ええっ⁉︎ 」

(私の時と同じ展開⁉︎ )