恋する時間を私に下さい

ルナはお風呂から上がると、すぐに横になって眠ってしまった。
結局、お茶漬けどころじゃなくなって、困るのは明日からの私の生活。

「この左手の痛みが、取れてくれればいいんだけど…」

病院へ行くように言われたけど…。

(包帯は取られちゃうよね…残念だなぁ…)

キレイに巻かれてる白い布。
くるくると巻きつけてくれた人の顔を思い出した。


『きゅぅぅぅぅん…』

子犬の鳴き声が胸に響く。
乱れた前髪が、寝起きだと物語ってた。
真剣な表情で私の指先に触れて、そして……


「…痛むか?」

優しく聞いてくれた…。

それだけで、その場に倒れこみそうなくらい嬉しかった…。

…ルナだけじゃなく、私も緒方さんのファンなんだ…と気づかされた。
あの人の声も顔も、自分のモノにしておきたい。
そう思ったからこそ、思わずルナにダメ出しをしてしまった…。

(だって…どう考えても、ルナの方が美人だし、可愛いもん…)

スヤスヤ…と眠る横顔。
無邪気で子供っぽくて、本来のルナを表してる。

あどけない顔して眠ってる…。
人から持て囃されてる時とは違う、幼い感じ…。


…こんな彼女を知ったら、緒方さんだって放っとかない。
ずっと側に置いておきたくなる。

…ルナは……

それくらい魅力的な子……



『ファンになった!また会いに来よ〜!』


怖いことを言ってた…。
緒方さんには近づかないで欲しい。
私の居場所を…取っちゃヤダ…。


「…ダメよ…ルナ。……ゼッタイに近づかないで…」


大好きだった頼三さんの孫…
声以外は似ていなくて、言葉も悪くて、態度も散々で、冷たくばかりされるけど…