恋する時間を私に下さい

「私、ファンになった!また会いに来よ〜!」

「ダ…ダメよ!」

思わず声を上げてしまった。
ルナが驚いた目でこっちを見てる。

「なんで…?」
「な…なんでって…」

あの人は超多忙な売れっ子漫画家で、私は、あそこの家事一般を任されてるから……

とは…

(言えない!とてもぉぉ…!)

「だ、だって!緒方さんにも都合ってもんがあるでしょ⁉︎ …急に押しかけたりしたら、迷惑じゃない! 」

尤もらしい理由を答えた。

「え〜⁉︎ いいじゃん!少しくらい伺っても…」

今夜のお詫びとか兼ねて……だって。
やめてよぉぉ…

「そんなのは私がするからいいの!とにかくルナは余計なことしないで!」

大学の授業とかもあるでしょ⁉︎…と、焦って付け足し。

「そんなの週に二日程度だもん!全然ヘーキ!」
「ヘーキじゃない!再々、私のトコに来るのなんて勘弁して!」
「誰もお姉ちゃんのトコに行くなんて言ってないじゃん!私が会いたいのは、緒方さんなんだから…」
「そっちはもっとダメだって言うの!…とにかくいい⁉︎ …ファンになったからって、図書館にまで 押しかけたりしてこないでよ⁉︎ 」

「さぁ⁉︎ …どっしよっかな〜…」

「…ルナっ!」

立ち上がって逃げてくルナを追いかけようとして、つい左手を着いた。

「つっ…!」

指先に痛みが走る。
さっきの薬は、やっぱり効き目がないのかも………