恋する時間を私に下さい

「夢ないなぁ二人とも…。もっと人生は楽しまないと!」

楽天的で羨ましい。
美人でモテモテで、何もかもが順風満帆なルナだからこそ言える台詞です。

「…よし!今夜のところはこれでいいだろ…」

包帯の端をテープで留める。
緒方さんは薬を箱の中に片付けながら、こう付け加えました。

「朝になったら病院へ行って、もう一度診てもらえ。この薬、あんま信用ならねぇから」
「は、はい…ありがとうございます。おかげで…助かりました…」

キレイに巻かれた包帯を眺めた。
人差し指から小指まで、手袋のように並んでる…。

「…あっ!そこまで送ります!」

立ち上がってルナが追いかける。
一足先に廊下へ出た緒方さんは、振り向いて彼女に謝った。

「さっき悪かった」
「えっ?…さっき?…ああ、抱きついてきたこと⁉︎ イイですよ〜!別にあんなの気にしてませんから〜」

キャハハハ…と笑い声が聞こえた。

…どうやらルナの酔いは、まだ、完全には冷めてないらしい。



「お休みなさ〜い!」

子供のように挨拶して鍵を締める。
パタパタ…とスリッパの音がして、ルナが戻ってきた。


「ねぇねぇ、お姉ちゃん!あの人ステキだね!」

座ってる私の横へ座り込んだ。

「… あの人って……緒方さんのこと⁉︎ 」

左手を着かないようにして振り返る。

「うんっ!なんかクールでカッッコイイ!大人の男の人って感じがする…」
「…そりゃ大人だもん。…そうでしょ…」

当たり前のこと言うわね…と、聞き流そうとしたら……