恋する時間を私に下さい

「…ねぇねぇ、君、名前は⁉︎ 」

アラシに聞かれ、困ったような顔をして答えた。

「…友坂…百合(りりぃ)です…」
「リリィ⁉︎ 可っ愛ーい!」

ヒュー♪と口笛が鳴るのが聞こえた。

「リリィちゃんって呼んでいい⁉︎ 」
「プロフ交換しよ⁉︎ 」

トドロキまで混ざって、プロフの交換が始まった。

ケータイの画面を見たアラシが、彼女の待ち受けを見て驚いた。

「……誰それ⁉︎ リリィちゃんのジイちゃん⁉︎ 」
「い…いえ、これは…『OーGATA図書館』の初代館長さんです…」

恥ずかしそうに、はにかむ顔がうっすら赤く染まった。
ジイさんの写真を待ち受けにしてやがるとは妙なヤツだ…と、後ろから覗き込んだ。


(……なんだコレは…⁉︎ )


成人式の振り袖を着た友坂百合が、俺のジイさんとツーショットで写ってる。
嬉しそうなジイさんの横で、ほんのりと頬を赤く染めて…。

(もしかしてコイツ…ジイさんのことが好きだったとか…⁉︎ )

そう思うくらい、いい顔して写ってた。

アラシとの会話の中でも、彼女はジイさんのことをベタ褒めしてた。

「…いつも優しくて、いろいろと本のこと教えて下さって。…私のことも『リリィさん』と、名前で呼んでくれてたんです…」

懐かしそうな表情(かお)で、ジイさんのことを振り返った。

(…ナルホド。そういう事か…)

あの時、泣き出した理由がピン!ときた。

ーー俺の声が、ジイさんの声と重なった…。それであの時、急に泣き出したーーー