恋する時間を私に下さい

名前の中に雫が落ちた。
ブルーのインクが、滲んで消える。

俺の為に彼女が出した答えはこれか…と、手痛い思いでいっぱいになったーー。


稚拙な書き出しはわざとだった。
リラックスして読み始めて欲しい…という彼女の心遣いに溢れてた。


「リリィ……」

手紙を抱いて涙にくれた。
温かい体温そのものを抱くような気持ちで名前を呼んだ。

本物を抱きしめて、あちこちにキスをしたいくらい感謝してる。
この気持ちに応えてやることが、一番大事なんだ…と気づかされた。


鼻をグズつかせながら、白い紙を取り出した。
いつもネームをやる時に、嫌々取り出してた紙に、俺は彼女への返事を書いた。


『読者のりりぃさんへ』


彼女に限らず、手紙を書くなんてことは初めてだ。
ヘンな文章になるのも覚悟の上で、俺はペンを走らせたーーー。