両親が医師のところへ行った後、礼生さんは警察に呼び出されました。

今回の一連の事情を聞かれたアシスタントさん達は、その足で病室へやって来た。

コウヤさんの気持ちは、スグルさん以外、皆、「初めて知った…」と語ってました。



「…お前はどうして知ったんだよ⁉︎ 」

セイジさんの質問に、スグルさんは笑った。

「経験値の差…みたいなもんだよ」

ホストという仕事柄、色恋沙汰に揉まれてるんだろう。
彼がそんな仕事をしてるのは、コウヤさん以外、誰も知らないみたいでした。


「経験値の差〜だって!ヤな野郎〜!」

トドロキさんが呆れます。
アラシさんとセイジさんはそれを聞いて、「お前もだろ⁉︎ 」と言い返した。



「…うるせぇ奴らだな!」

警察から呼び出された礼生さんが、帰ってくるなり怒鳴りました。
持ち前の口の悪さで、皆を叱り飛ばす。

「用がなければ帰れっ!ケガ人の具合が悪くなるっ!!」

散々、迷惑をかけたのは自分なのに、悪態ぶりは変わらなかった。
皆は顔を見合わせ、はぁ…と小さなため息を吐いた。


「…やれやれ、元気になった途端、これだもんなー」

アラシさんが呆れながら立ち上がった。

「レイさん健在って感じ!」

トドロキさんが背伸びしながら言った。

「…それでもオレ達、どうせまた集まるんだよ…」

ガチャガチャとキーホルダーの束を揺らすスグルさん。

「何と言っても、『オガタ レイ』のファンだからね…!」

年上のセイジさんがウインクした。

礼生さんは、帰りだす人達の背中を無言で見送ってる。

初めて見た日の光景さながらに、懐かしさを覚えた。