恋する時間を私に下さい

「…お姉ちゃん!目覚めたんだって⁉︎ 」


声と共に、妹が走り込んできた。
ビクッとなって、俺達は一斉に離れた。


「あっ……」

ドアの前で立ちすくむ。
接近してる俺達のことを見て、戸惑うようにドアノブを握った。

「す…すみません…!お邪魔でした…!」

慌ててドアを閉めようとする。
その妹を止めるように、二人して声をかけた。

「い…いいから!」
「出なくていい!」

ドアを閉めかけた奴が、気まずそうに入ってくる。
そんな顔するくらいなら、最初からノックしろよ…!と言いたくなった。

「えへへ。…ホントにすみません…」

ニヤつきながらベッドへと近寄っってくる。
姉の顔を見て、ホッとひと息ついた。

「病院に運ばれてきた時は、死んでるのかと思うくらい真っ白だったけど……」

間に割り込んで、ぎゅっと抱きついた。
安心した子供のように声を上げて泣き出す。
わーん!と泣く妹を、彼女は必死で宥めた。

「もう大丈夫だから……。なんともないから…」

泣きじゃくる背中を撫でさする。
すっかり邪魔された俺は興ざめて、二人のことを傍観してた。

彼女の両親が遅れてやって来た。
病院に担ぎ込まれた時、散々悪態をつかれたけど…

「お世話になって…」
「昨夜はすみませんでした…」

顔を見るなり謝られた。

あれから家に帰った後、妹から話をいろいろと聞かされたんだそうだ。

「勤め先の館長さんだとは知らず、つい暴言を吐いてしまって…」