恋する時間を私に下さい

(…戻ってきてくれ…!…やり直させてくれ…!)

お前と違って、俺はまだ何もやってない。

料理なんてできない俺は、家事だって不得意だ。
本も詳しくないし、くだらない漫画ばっか描いてる。

人を見る目もないせいで、お前のことを傷つけた。
大事な時に、庇うこともできなかった。

こんな所で付き添ってても、何かをできる訳でもない。
見守ってる…ただそれだけだ……。

それでも、目覚めた時に、側にいてやりたい。
お前がしてくれたことを……少しずつでもいいから返したい……!


頼むから…と願った。
頭の中に、偉大な存在の人のことを思い出した。


(ジイさん……コイツを守ってくれ……!)


還ってきたら、二度と離さない。
悪態もつかないし、暴言も吐かない。

優しく扱う。

誰からも傷つけられないように包み込んで、守り通すから……


(だから…頼む…ジイさん……!)


祈る気持ちで頭を伏せた。
遠くから聞こえてくる声は、甲高くて、楽しそうで、嬉しそうな感じに……響いた……。