恋する時間を私に下さい

挟まれた手が、探るように動く。
アゴに沿って指先が動いて、ゆっくりと止まった。



「…リリィ……」

かすれた声がした。
ぎゅっと手を握りしめ、声をかけた。

「ここです!」

(お願い…!お願いだから…起きて…!そのまま寝ちゃヤダ……!!)

叫び声は上げれなかった。
怖がってることをコウヤさんに悟られたくなかった。

食い入るように礼生さんを見つめる。
なかなか起きないその顔を見てたら、不意に涙が滲んできた。


「……礼生さん……起きて……」

握ってる手が震えた。
このまま眠りについてしまったら怖い。
昨夜のようなことになったら、どうしたらいいか分からない。


伝い落ちた涙を、礼生さんの指が受け止めた。
それに気づいた後、視線を彼に戻した。



重そうに瞼が開かれた。

眩しそうに目を細め、眉間にシワを寄せる。

…目の中には、確かな光が戻ってきた。

息を呑んだまま見つめる。

ゆっくりと開いた目は閉じることなく、私の顔を見つめ直したーーーー。