恋する時間を私に下さい

自分を含める言い方に、彼を見た。
ジャラジャラと持ち歩くキーホルダーの束が、女性からの贈り物だと言ってたのは、ホントのことだったんだ…と気づいた。


「…よく眠ってんな…」

礼生さんの横顔を眺めながら、スグルさんは小さく笑った。
日頃の悪態からは想像できないような優しい表情をしてる。


「……スグルさんも……礼生さんが好きなの…?」

なんとなくそんな気がして聞いた。
普段の態度も、もしかしたら愛情の裏返しかと思った。

「…っざけんなよ!オレにそんな趣味があるか!」

ホストだと言ってたコウヤさんの言葉を思い出した。

「そ…そうよね……ごめん……」

謝る私の顔を見てる。
それから息を吐いて、コウヤさんを振り返った。

「…お前、二度とこいつに手ェ出すなよ!そんなコトしたら、レイにふっ飛ばされっぞ!」

分かってんだろ…と言って立ち上がる。
部屋を出て行こうとするスグルさんの後を、慌てて追いかけました。


「スグルさんっ!」

逃げないで欲しくて名前を叫んだ。
その時の自分の声が、礼生さんの叫びと重なった。


『リリィ…!』

立ち止まって後ろを向いた。
礼生さんの横にしゃがみ込もうとするコウヤさんの背中をドンッ!と突き飛ばした。

「寄らないで!」

守るように礼生さんを抱きしめた。

この人は、確かにあの時、私を必要としてくれた。
怖くて拒否してしまったけど、私には、この人以外大事だと思える人はいない。