恋する時間を私に下さい

振り向いた先に寝てる人の目が、微かに開きかけました。

「礼生さんっ!」

コウヤさんを突き飛ばして、走り寄った。

瞼はピクピクと動いて、そしてまた、閉じてしまった……


「…礼生さん……」

ボロボロ…と涙が溢れてきた。
コウヤさんに握られた手首はスゴく痛かった。
礼生さんに押し倒された時よりも、ずっとずっと怖かった…。

礼生さんに助けて欲しかった。
スグルさんじゃなく、礼生さんに守って欲しかった…。

ぎゅっと布団を握りしめた。
震えてる私の側で、コウヤさんとスグルさんは言い合ってる。
こんなになっても目を覚まさない礼生さんに、文句の一つも言いたくなって……


「…礼生さん…起きて……起きてください…!」

ムリなお願いをした。

起きたら聞きたかった。
礼生さんは、一体…誰が好きなのか…。



「…やめとけ…!」

声をかけたのはスグルさんだった。
布団を握りしめたまま振り向くと、横に座ってつけ加えられた。

「…こいつは疲れきってるんだ……余計なこと話しかけんじゃねぇ」

マジメな顔してた。
ライバル視してる相手を気遣ってるふうにしか見えなかった。

「…お前は何しに来たんだよ!」

コウヤさんが呆れるように聞いた。
スグルさんは睨み合ってたコウヤさんの顔も振り返らず答えた。

「こいつがお前に襲われてねぇか、見に来たんだよ!」

まさかオンナを襲ってるとはな…と半分見下すように言った。

「…ったく、レイのアシはマトモな奴がいねぇな…!」