恋する時間を私に下さい

「君みたいな子はガタさんには近づけない!さっさと諦めて帰れよ!ここはガタさんと俺の棲家!お前は邪魔なだけだ!」

ぐっと握られた手首が痛かった。
ヤケドの後の治療へ行くのもやめてた指先がしびれる。

「とっとと出てけ!!」

青白い顔したコウヤさんの目が鋭い。
力は加減してるみたいだけど、ヘタすると腕が折られてしまいそう。

「コウヤさん……痛い…離して…!」

ギリギリ力がこもってく。
指先が真っ赤になる。
痛くて、顔をしかめた。




「……バカッ!離せっ!」

後ろから声がして、コウヤさんの腕が引っ張られた。
振り向くと、真顔で立ってるスグルさんがいた。


「…スグル……」

まさか来る筈のない人が立ってて、コウヤさんも驚いてる。
スグルさんはコウヤさんの手を荒々しく振り解いて、彼を叱り飛ばした。

「オンナに手ぇ出すな!テメェは男だろ!!」

正義感の塊のようなセリフを、茫然と聞いてた。
悔しそうな顔したコウヤさんは、フッ…と鼻でせせら笑った。

「…それをお前が言うのか…ホストのくせに…」

(ホスト…?)

スグルさんを振り返った。
芸能人みたいな顔立ちをしてるな…と、前から思ってたけど…

(まさか…ホントに…?)

「…ゲイ野郎に言われたかねぇよ!」

否定しない。
…ということは、やっぱり……。

スグルさんはホストで…
コウヤさんはゲイ……??

(…じゃあ…礼生さんは……?)