恋する時間を私に下さい

図書館で仕事をしながら、男性客と話す礼生さんが、もしかしたらそういう趣味の人なのかと、少し疑ってたこともあったけど……。


(でも……そんなことない……)

第一、そんな趣味があるのなら、昨日私を押し倒したりしない。


(だけど…もしかしたら、コウヤさんのことが思い浮かんで…やめたのかも……)

酷い言葉使いをする礼生さんのことを思い返した。
図書館で優しく話をしてる相手は、女性よりも男性じゃなかっただろうか。

あの美人のルナにも、なびかなかった。
逆に酷いことを言って、泣かせてた……。


(…でも、そんなの…本人の口から何も聞いてないし……)


コウヤさんのことは、「一番マトモな奴」としか聞いたことがない。
その言葉の中に、恋人としての感情が流れてるとは思えない。
仕事仲間としての信頼としか……受け取れなかった……。


「…コウヤさん…」

私を押し退けた彼を、礼生さんの足元から睨みました。
大事な人を独り占めにしようとする彼を、許せない…と思った…。

「なんと言われても…帰りませんから。たとえ、今言われたことがホントだとしても…礼生さんの口から聞いたことじゃない限り…私は信用しません…!」

追いついたら離れない…と決めた。
今、ここで礼生さんをコウヤさんに任せきってしまったら、きっと後悔する。

礼生さんのことも…自分自身のことも……。