傘と雨音




後から知った話。




北見とは1年で同じクラスだったらしい。


「出席番号後ろだったじゃん!覚えてない?」と言った彼に、

申し訳なく首を横に振った。




「だから声かけた時、名前知ってたのか!」


「去年のクラスメートだもん。

1年の時から香川さん面白かったよね~」


1年の時を思い出したようでクスクス笑う北見に、
私は『1年の時、何かしでかしてないか』と過去をフル回転で思い出す。




「その時はなかなか恥ずかしくて声かけられなくてさ。
2年でクラスが別になって、もっと話せる機会無くなって後悔した」


「え……」


「だから下駄箱で見かけてがっついちゃった」



『ちゃった』なんてお茶目に言う北見だが、

私はずっとタジタジだ。





ああ。こんなことなら、恋愛シュミレーションを脳内でしていれば良かった…

部下を作り国を収めるスキルは脳内で鍛えてたけど、恋愛のスキルは全くない。










私の前に突然現れた北見と、

そんな北見の出現に中二病全開で脳内妄想できずタジタジの私。






でも多分。

想いは同じ………












「ふはっ!香川さんって、余裕なくなるともっと面白くなるんだね!」





…………………じゃないかもしれない。













END