イスズ背中にオオカミは叫んだ
「イスズっっ!絶対に勝てっ!
俺、ここから見とるからなっ!」
バッ!__
その声に反応するかのように
イスズは右の拳を高らかにあげてみせた
振り向くことはせずに……
角を曲がり姿が見えなくなった
イスズを確認したオオカミは
さっきまで話していた大きな壁の扉を見つめた
「俺にもなんか興味湧いてきたわ…(ニヤ)」
子供の意地悪そうな顔で笑ったオオカミは
二階の窓に寄りかかり
この学校の中央部(部分)の中庭を見下ろした
その中庭にある
大きな時計台の針はちょうど15時を刻んだ
すると丁度イスズの姿が中庭に現れた
二階とイスズのいる中庭の距離からして
普段でも小さい体のイスズがさらに小さく見えた
そんなイスズは
真っ直ぐに何かを見つめている
その向かいの対極に佇んでいる人物…
それはワシタカの姿だった


