「なんだあれ……」
『最近あーゆう子多くてさ……
廊下歩くたびに道開けてくれたり
全校集会のときは何人も声かけてくれたり
私なんかしたかなって…はは』
「ふーん…」
『あ、てかもうこの辺でいいよ
やっぱり学校遅れさせちゃ悪いし……』
去って行った生徒の
方向を見つめながら2人が会話をする
繋がれていた手を離そうと前を歩こうとしたが…
ギュ__
逆に先ほどより強く握りしめられた
『え、あの……シロ?もう…』
「ヤダ」
『はい?』
「中途半端な気持ちで
送りたいと思ったんじゃないよ
だからちゃんと門まで送る…ほら、行こ」
そう言って手を引き歩きだした
と言っても門はもうすぐそこに建っていた
向かい側からも同じ制服を着た生徒達と
交差しながら門をくぐってゆくのが見える
そしてイスズとシロ門の前で立ち止まった


