イスズは重たい身体を壁に預けながら
階段をゆっくり降りていく
やっとのことで二階に降り立ったイスズは
真っ先にある教室に向かった
その教室のドアの前に
ある人物が寄りかかっているのが見えた
『ワシ……タ、カ…?っ…』
足元が絡みフラついてしまったイスズ
気配に気づいたワシタカは
イスズの姿を見て驚き慌てて側に駆け寄った
「おいっ!…イスズっ、大丈夫か;?」
その大きな声に
教室にいた者達がこぞって出てきた
まだイスズの右手首には血が流れている
繋がれた鎖の部分も一緒に……
それを目にした2年の生徒含め
アカツキ達も同じく目を見開き驚く
『わ、悪ぃ…
ちょっと手こずっちゃって…;はは』
「はは、じゃねーよ
まぁアイツに何されたかは想像つくが
ここまでとはな……あの野郎」
ワシタカの言葉は
優しさとどこか怒りの感情が感じられる
「とりあえず…保健し……っ!」
グイッ__
「コイツは俺が連れてきますよ
なんかいろいろお世話になったみたいで…
代わりといっちゃなんですが
礼を言わせてもらいます、それじゃ」
「は?……お前っ」
突然伸びてきた腕に
イスズはすっぽりと収まる
その人物を見たワシタカはまた驚き
颯爽とその場から
イスズを連れ消えていった
「……………………」


