「ほら……」

『へ……?』




ギュウ___

シロの大きな手がイスズの小さな手を包む




『ちょ…っ、な…に』

「こーしたらあったけぇだろ……
俺も寒みぃ〜し、お互い一石二鳥(笑)」

『………///!?( ドクンドクン )』





ケラッと子供みたいに笑うシロ……


こんな表情久しぶりに見たと
心を打たれるイスズ
前より胸が苦しくなったのがわかった




それからまたお互い無言で歩く




シロ宅から駅までは徒歩15分以内
あと少しで駅に着いてしまう
そんな時、イスズはふと何かを思いだした




『あ……』

「どした?」

『いや、ちょっと…ごめん』

「???」





と言って、さっき繋いでいた手を離し
自分のリュックの中を漁る……が






『ない……』

「ない?」

『ない……まさか!?』

「だから何がっ…て、ちょおい!
どこ行くんだよ!
そっち俺ん家の方向だろーがっ!」

『ないの!!!』

「ちっ…だから何がねーんだよ」





イスズはさっき
歩いてきた道を全速力で走りだした


そんなイスズの後を追うかのようにシロも走る






そして次の横断歩道を渡ろうとしたときだった





















ピッピーーーーーーー!!!!





大きなクラクションの音とともに
大きなトラックがイスズが渡ろうと
したところにちょうど走りこんできたのだ