振り向いた先に見えたのは思った通りバイク。 それも何台も。 あたしのいる灯台を通り過ぎていく、バイクの群れ。 思わず手を伸ばした。 「あたしを連れてってくれよ…お願いだから…」 気づけば視界は滲んでいて。 バイクに乗って楽しそうに笑っている男たちの姿も 風を切って生きているかのように走るバイクの姿も あたしの隣で寂しそうに佇んでいる灯台の姿も なにもかもが滲んで、やがて見えなくなった。 頬を伝う熱い雫。 やがて止めどなく流れ出す雫。