あの人、どうしてあそこにいたんだろう。 桜の下のまるでポストカードにでもありそうな風景を思い返す。 そういえば、手、怪我してた。 後、口元も。 「……大丈夫かな……」 想像しただけで痛そうで、大丈夫か不安になって、ドキドキする。 だって、さっきからずっとあそこに立って、手当とか全然しそうな気配はなくって。 いても立ってもいられなくなった。