僕たちは不安な気持ちを

自分たちの手に込めて、

手をつないで走って病室に向かった。



その病室には、先生と2人の看護師さん

それからベットの脇には、

母が椅子に座っていた。


僕たちが、ベットに近づくと。

ベットの上には、顔を布で覆われた人が布団をかぶっていた。


初めに弟が言った。

「ねぇ。父さんは?病院にいるんだよね?母さん。父さんのところに行こうよ。」


顔の上に布が覆われている。

この意味は、5年生の僕たちにも

分かる。

頭ではわかるけど、心がついていかなかったんだ。