僕は今でも夢で見る。


父が亡くなった時のことを。




あの日は、雪が降ってたんだよな。


父と双子の弟と僕は、雪合戦をしたり

雪だるまを作ったり、

小学5年生だった僕たちは

あの日、仕事が休みだった父と

遊んでたんだ。そう夕方くらいまで遊んだんだ。



「父さん!あったかいスープ飲みたい!母さんに作ってもらおうよ!」

そう弟が言った。

「そうだな。今日は冷えるしな。遊びはこの辺にして、蒼、晴、先に帰っててくれ。」


僕は、そう言って母にスープを作ってもらうために

父は買い物に出かけた。





『ただいま!』

僕たちは声をそろえて玄関に入った。

それから、父が帰ってくるのを

楽しみに待っていた。



だけど、父は夜の8時を過ぎても

一向に帰ってこなかった。

心配になった母は

僕たち2人に留守番するように言って

父を探しに家を出た。


母が家から出て、1時間くらいたった頃

家に電話の大きな音が鳴り響いた。


受話器を取った僕は、電話口から

母の声を聞いた。


僕は、受話器を落とした。

母からの電話は、父が事故にあった。

今は、中央国立病院にいるからすぐ来て欲しいとの電話だった。


僕は、怖くなった。


弟はそんな僕の手を握って

急いで病院に駆けつけた。