「そうだ咲愛。1年生にスポーツ抜群、容姿も抜群な子が入ってきたんだって。
確か名前は、えーと。蒼くん!」


「へぇー。そうなんだ。」


あたしはもう今日出会った子にしか

興味が湧かなかった。


「もう。気分が乗らないんだから。だからさ!今日一緒にその蒼くん探しに行こうよ!」


「探す?行く!」


その子を探していれば、あの子にも出会えるかもしれない。

昼休みが待ちどうしかった。




「咲愛。行くよー。」


「あ、待って。ついでに本返しに行く。」


先に行ってるからね。汐音は先に行ってしまった。


あたしは急いで図書室に向かった。


まだ、昼休みに入ってすぐだったので、

図書室には、あたしと1年の女の子たちと

男の子1人しかまだいなかった。


と。えぇ!?
みつけた。さっき会った男の子だった。


真剣に本を読んでいるようだった。


話しかけづらかったので


彼の斜め前の椅子に座った。