三日月姫




リベルがゆっくりと扉を開く。




「……!」



なんて、綺麗な人なんだろう…


私の最初の印象はそれだった。



目にかかるくらいの長さの髪は、自然になびいていてとても綺麗な金髪…

吸い込まれそうなグレーの瞳をした切れ長の二重の目は、一度見たら目が離せない。

スーッと通った鼻に、程よい厚さの唇。


王様のような大きな椅子に立て肘をつきながら座っている姿はとても様になっていて…






この世界のように…綺麗…







「誰だ、お前は。」


彼の瞳が私をとらえる。



『レイア様、三日月姫様でございます。』



「…星宮三月です。」


小さな声で…名前を言う。



「…出て行け。」


…っ!?


彼から発せられたのは冷たい言葉…


『…レイア様』


「リベル言っただろう。三日月姫はいらない、と。」


いらない…!?どういうことよ!



『レイア様、よく感じてください。美月様の…魔力を。』



私の魔力?