三日月姫




シームさんと別れ私達はまたお城への道を歩き始めた。

今度は…はぐれないようにリベルをきちんと見て歩く。




私にはリベルにひとつだけ聞きたいことがある。
 



そう…さっきシームさんから聞いたことだ。





「リベル」


『なんでしょう。』


歩いていたのをやめ、後ろを振り向いて幼い顔をこてっと傾けた。



…かわいい…



「今の魔術師って…どういう人なの?」



『……』



答えない。

やっぱり…なにかある。


「教えて。」


『…とても孤独な人です、彼は。』



孤独…?

ひとりぼっちってこと…?


「…」


私が無言になっているとリベルが言葉を続けた。


『ひとり…だと思っているんです。ひとりなんかじゃないのに…彼は自分の持っている力を好んでいないんです。』



ひとりだと思っている?

ひとりじゃないのに…?


「自分の持っている力って?」


『魔法の魔力のことです。彼の魔力は…強すぎる。三日月姫と同じくらいの魔力を持っているんです。』


三日月姫の力は桁違いだと聞いた。


それと…同じくらいの?



「そんなに…?」



『ええ。ですが…』




『いや…これは彼と会ってから言いましょう。』