三日月姫



なによ…それ…


「この国を救ってくださる三日月姫様を魔術師は殺そうとしてる。だから国民は魔術師が大嫌いなんだよ。」



……私…殺される?


死ぬ覚悟はここに来る前にできていた…はず


だけど怖い。死ぬことが怖い。




「あんた、どうしたんだい?震えてるよ!?」




死にたく…ないっ!




『こんなところにいらっしゃったんですか。はぐれるなと言いましたよね?』



聞き覚えのある男の子の声が聞こえた。


後ろを振りむくと



「リベル…!」


やっぱり…


はぐれていたリベルがいた。



「リ、リベル様っ!」


えっ。


『シーム。美月様に変なことを吹きこまないでください。』


シーム…さん?


「申し訳ございません。ですが、この子はこの国のことをまだなにも…」



『当たり前です。この国に来たばかりなのですから。』



う、うん…そうなんだけど…あはは


「それって…一体どういうことだい。」


『それはまだ公開できない話でございます。私達は時間がないので失礼させていただきます。』




顔は幼いリベル。だけど今ニッコリと笑った顔は…とても恐ろしく感じた…