私をいじめた女の子たちをいつの間にか特定していたらしく、はりきってその子たちのもとへお話しに行ったらしい。


私は実際に見ていなかったから知らないけれど、噂によるとそれはそれはすごかったようだ。

まあ、今までに何回か見てるからだいたい想像はつく。 女の子たちは、大号泣だったことだろうな。

かわいそうに、ってほんのちょっとだけ同情してしまう。


「古都が気にする必要ないよ。 俺の古都に手ぇ出したあいつらが悪い」

「……あ、そ」


ほんと、私のヒーローはめちゃくちゃだ。

私のことを所有物みたいに言うし、私のためなら例えどんなにか弱い女の子相手でも容赦しない、紳士の“し”の字もないやつ。


「……あー、死にたい」


それに、“死にたい”だなんて、いとも簡単に言ってしまう。


青空に脚を放り出して、ふらりふらり。

飛べもしないのに、やめてほしい。