恨まれたって、罵声を浴びせられたって、縁を切られたっておかしくない。

むしろ、当然のことだった。


もうお前なんか見たくないと言われれば、私は伊都の前から姿を眩ませたし、殴らせろと言われれば、どうぞと体を差し出しただろう。


そんなことを私は覚悟していたのに、伊都は私を恨み責めるどころか、こう言ったのだ。


『古都ちゃん、これからは俺に守られて』と。

今考えてみると、伊都はこのときから変だと思う。



それから私たちは、伊都の親戚の家に預けられ、一緒に暮らすようになった。
その頃からだった。


このことがトラウマになり他人が怖くなった私はガラリと性格が変わっていじめられるようになったし、

伊都はぼんやりとするようになって、いつからか『死にたい』と言うようになった。