すごく驚いたし
心臓は今にも壊れそうに
ドキドキしている。
だけどその手を振り払うことも『どうしたの?』なんて聞くこともあたしにはできない。
好きな人に抱き締められて喜ばない人なんかいないよね。離さないで欲しかった。だから言葉を止めたんだ。
でもあたしはやっぱりどこかで不安だった。
こんなに幸せなハズなのに求めていたことなハズなのにどうして高島さんの顔がちらつくんだろう。
「からかってないよ。」
ハルから遅めの返事が返ってくる。
「本当は何度も青井を可愛いなって思ってたよ。クールそうなのにすぐ顔赤くするし、ふとした笑顔も‥」
ハルはこんな嬉しいような恥ずかしいようなことをいつも言うけれど今のはいつもと違うということはわかる。
「話も合うし、気取らなくていいし、一緒にいてほんと楽しいんだよ。なにより俺青井の歌大好きだしさ。」
「うん‥」
うん しか言えないのは心から喜んで頷けないのはハルの背中に腕を回せないのはハルの声がとても辛そうだから。
振り絞るように呟くハルの声に涙が出そうになる。
「なのに‥どうしてやっぱりアイツが好きなんだろうな。」
やっぱり‥ね。そう思わずにはいられない。あたしは声も出せずに俯く。

