「青井凛?…あっ!!
可愛いって有名だよね」
「そうなの?
知らなかった笑」
「興味なさそうだもんなぁ」
「え?」
「青井の目
悲しい目してるから」
びっくりして言葉も出なかった
無気力じゃなく悲しいなんて言われたのは初めてだったから
「んー…
じゃあさっ見てて?」
「なにを?」
男は爽やかに笑顔を見せてMP3をスピーカーモードにして軽やかなヒップホップを流し始めた
「ちょっ…」
それ以上言葉は出なかった
だって目の前にはあの日の君が笑ってたから
あたしは音楽バカだし詳しくはわかんない
だけど彼はダンスをしててその種類がブレイクダンスとかいうやつとかで
それがあまりにも格好良くて綺麗だってことだけはわかったんだ
あの日見た
本物の笑顔もキラキラしたダンスも全部あの日と同じだった
羽があるみたいに綺麗だった
目が離せなかった

